
どうも!書評ブロガーのクレノアキです。
この記事では、
- 顔見知りの人の誘いにうまく断れない
- 日々、何かの作業に追われ、本当にやりたいことが出来ていない…
- 「エッセンシャル思考」ってどんなことが書いてあるの?

という方に向けて、書籍「エッセンシャル思考」を実際に読んで分かった、
- 集中の対象をひとつに決める方法
- 仕事を減らし、成果を増やす方法
- 上手に手放すテクニックを身につける方法
- 上手に「ノー」と言える技術を身につける方法
- 断り方のレパートリーを増やす方法

を紹介します。
目次を用意してあるので、気になったところからでも読んでいただけると嬉しいです。
「エッセンシャル思考」はビジネス書の中でも読みやすく、初めて読むビジネス書としてオススメです!
そもそも、エッセンシャル思考って何なの?

エッセンシャル思考とは、「より少なく、しかしより良く生きる」を追求する生き方です。
エッセンシャル思考の人は、適当に全部をこなそうとは考えません。
トレードオフを意識して、何かを得るために何かを捨てる。
そうした決断をすることで、
生きている中で迫られる決断の数々を、必要最低限のエネルギーでこなしていくことが出来ます。

要するに、エッセンシャル思考とは、
自分の力を最大限に発揮するためにやるべきことを正確に選び、スムーズにやり遂げるための効率的なしくみ。
エッセンシャル思考を身につけるためには

エッセンシャル思考を身につけるためには、3つの思い込みを克服しなければなりません。
以下が具体的な3つの思い込みです。
- 「やらなくては」
- 「どれも大事」
- 「全部できる」
この3つのセリフが、人を、非エッセンシャル思考の罠へ誘うのだと著者は言います。
うっかり耳を傾けてしまうと、不要なものごとの海におぼれることになる。
エッセンシャル思考を身につけるためには、これら3つの嘘を捨て、3つの真実に置き換えなくてはなりません。
- 「やらなくては」ではなく、「やると決める」
- 「どれも大事」ではなく、「大事なものはめったにない」
- 「全部できる」ではなく、「何でもできるが、全部はやらない」
この3つの真実を心に留めておくことで、本当に大事なものを見極められ、最高のパフォーマンスを発揮することが可能になります。

ここからは、実際の生活に活かせるテクニックを紹介していきます。
集中の対象をひとつに決める方法

生は今この瞬間にある。
今この瞬間をないがしろにする人は、日々を十分に生きることができない。
ティク・ナット・ハン (禅僧)
集中とは、「今、何が重要か」を考え行動することだと著者は言っています。
過去の失敗や未来の不安にとらわれてしまうことは誰にでもあると思います。
- 考えてもどうにもならないことは分かっているのに、不安で頭から離れない。
- 来週の予定、この先の人生、目の前にないものばかりが頭につきまとう。
過去の失敗や未来への不安にとらわれるのは、人としてごく自然なことだと思います。
ですが著者は、過去をや未来のことを考えるたびに、目の前の大事なことが疎かになるという事実も忘れてはならないと言っています。
そもそも私たちには、「今」しかない。
未来や過去は想像のなかにあるだけで、けっして触れられない。
私たちの行動が何らかの力を持つのは、今ここにおいてだけなのだ。
今このときを生きているからこそ、目の前の仕事に全力で没頭できる。
よけいな考えにエネルギーが奪われることもない。
グレッグ・マキューン (著者)- エッセンシャル思考
ついつい忘れがちな、「今ここを生きる」ことの重要さを再認識させられる言葉です。
では、今この瞬間に集中するにはどうすればいいのか。
それは、
- 「今、何が重要か」を考える
- 優先順位をつける
この2つを意識することです。
ー「今、何が重要か」を考えるー
やることが多すぎて、何から手をつけていいか分からなくなったら、
- まずは考えるのをやめて、深呼吸をする。
- 明日のことや、一時間後のことは忘れて、今この瞬間で何が重要かを考える。
- やるべきことをリストアップして、重要性の低いものを、線を引いて消してしまう。
自分の熱量を「今」だけに注力することで、より良く生きることができます。
ー 優先順位をつける ー
今すぐやるべきことのリストが完成したら、優先順位の番号を振って、順番に片付けていきます。
一度にひとつのことに集中し、終わったら線を引いて消します。
完了したことを視覚的に確認することで、安心して次に進めます。
仕事を減らして成果を増やす方法

エッセンシャル思考の場合、人やお金や時間を増やすかわりに、制約や障害を取り除くことを考えます。
成果を改善するには3つのコツが必要です。
- めざすことを明確にする
- ボトルネックを特定する
- 邪魔なものを取り除く
ー めざすことを明確にする ー
めざす成果が明確でなければ、何をすべきか判断できません。
最終的な目的地がなければ、そこまでの道筋も見えてきません。
ゴールを設定することで、やるべきことが明確になり、歩み始めることが出来ます。
ー ボトルネックを特定する ー
めざすべきことが決まったら、「この仕事をやりとげる際に、邪魔になるものは何か?」をリストアップします。
- 情報が足りない
- 疲れている
- 完璧にしないと気がすまない
リストが出来たら優先順位をつけて、大きな障害から対処していきます。
ー 邪魔なものを取り除く ー
成果を上げるためには、完成までのスピードが不可欠です。
完璧にしないと気がすまない性格だったとしても、ある一定のラインで妥協し、完成させなければなりません。
上手に手放すテクニックを身につける方法

行動やプロジェクトが「自分のもの」だと感じるとき、そこから離れるのは容易なことではありません。
そんなときに役立つのが、
- 持っていないふりをする
- 失敗を認め、成功に向かう
- 第三者の意見を聞いてみる
- 流れで引き受けるのをやめる
- 何かを言う前に、5秒待つ
という心構えです。
ー 持っていないふりをする ー
不要になった自分の持ち物に対して、「どれくらいの価値があるのか?」ではなく、
「まだこれを持っていないとしたら、手に入れるのにいくら払うか?」を考えます。
これは、仕事やその他の活動でも使えるテクニックです。
例えば、チャンスが舞い込んできたとき、「このチャンスを逃したらどう感じるか?」と考える代わりに、
「もしまだこのチャンスが手に入っていなかったら、どれだけのコストを払って手に入れようとするか?」
と考え、手放すがどうかを検討します。
ー 失敗を認め、成功に向かう ー
自分の失敗を認めたとき、初めて失敗は過去のものになります。
失敗した事実を否定する人は、そこから抜け出すことは出来ません。
ー 第三者の意見を聞いてみる ー
自分に合わないことにとらわれているときは、他人の冷静な意見を聞いてみるのも一つの手です。
利害の立場からのアドバイスは、執着を断ち切るのに大いに役立ちます。
ー 流れで引き受けるのをやめる ー
非エッセンシャル思考の人は、なんとなく引き受けてしまった約束であふれかえっています。
うっかり約束してしまうのを防ぐには、“何かを言う前に5秒だけ待つ” という方法があります。
反射的に答えずに、「これは本当に重要か?」と考えてみることで、あとで後悔することを避けられます。
上手に「ノー」と言える技術を身につける方法

誰かの誘いを断るのが難しい理由は、「他人にどう思われるか」という不安です。
断ることを考えただけで、罪悪感が込み上げ、胸の中が嫌な気持ちになってきます。
相手を失望させたくないし、関係を壊したくない。
こうした気持ちが判断を鈍らせ、現実から目をそむけさせます。
本当はノーと言って数分間嫌な気持ちになるほうが、イエスと言って何週間、何ヶ月も後悔するよりずっとましなはずなのに。
この罠から抜け出すには、きっぱりと、しかも上手にノーと言える技術が不可欠です。
一度それができるようになると、相手を失望させたり、怒らせたりするのではないかという不安が消えます。
むしろ、断ることでより良好な関係を築くことができます。
非エッセンシャル思考の人は、周囲の期待やプレッシャーに負けて、不本意なイエスを言ってしまいます。
よく考えもせず、相手を喜ばせるためだけに仕事を引き受けたほうが楽だからです。
一方、エッセンシャル思考の人は、そうした気分のよさが長続きしないことを知っています。
一瞬の満足のあとにやってくるのは深い後悔だということを。
なぜこんなことをやらねばならないのかと、相手を恨み、自分を責める。
もっと重要な仕事が犠牲になったことに気づき、ショックを受ける。
肝心なのは、絶対にやるべきこと以外のすべてに対して、上手にノーと言うことです。
では、どうすれば上手に断ることができるのか。
それは、
- 判断を関係性から切り離す
- 直接的ではない表現を使う
- トレードオフに目を向ける
- 好印象よりも、敬意を手に入れる
- あいまいなイエスは、ただの迷惑だと意識する
という意識を持つことです。
ー 流れで引き受けるのをやめる ー
誰かに何かを頼まれたとき、私たちはそれを関係性の問題だと思ってしまいます。
頼みを断ることが、相手を拒絶することだと。
しかし、この2つは分けて考えなくてはなりません。
関係性から切り離して考えたとき、判断はより明確になり、それを伝える勇気と思いやりも生まれてきます。
ー 直接的ではない表現を使う ー
「ノー」という言葉を使わなくても、ノーと伝えることは可能です。
ときには直接的な表現を避けて、やんわりと断ることも必要になります。
- 声をかけてくれて嬉しいのですが、あいにく手いっぱいで…
- 行きたいのは山々なのですが、時間があるかどうか…
などなど。
ー トレードオフに目を向けるー
ここでイエスと言ったら、自分は何を失うのか。
そのトレードオフに目を向けると、中途半端なイエスは言えなくなります。
どんな判断をするときも、機会コストを忘れてはなりません。
「もしもこれを選んだら、他のもっと価値のあることができなくなる」とうことです。
全部やってみよう、という非エッセンシャル思考の罠にはまらず、失うものを冷静に見極め、
納得できる答えを導き出すことが必要です。
ー 好印象よりも、敬意を手に入れる ー
ノーと言うことで、短期的に相手と気まずくなることはあります。
相手は「これをしてほしい」と思っているのだから、断られたときにはがっかりした態度を見せます。
ですが、長期的に見ればポジティブな面も存在します。
それは、短期的な気まずさと引き換えに、相手の敬意を手に入れられることです。
エッセンシャル思考に人は、みんなにいい顔をしようとしません。
ときには相手の機嫌を損ねてでも、きちんとノーと言います。
長期的に見れば、好印象よりも敬意のほうが大切だと知っているからです。
ー あいまいなイエスは、ただの迷惑だと意識する ー
あいまいなまま引き延ばされるよりも、はっきり断られるほうが実は助かります。
できないとわかっているのに、
「うまくいくよう頑張ります」とか「たぶん大丈夫だと思います」
など言っておいて結局できないと言うほうが迷惑をかけてしまいます。
あいまいにしておいて結局断るくらいなら、その場できっぱりと断るほうが、相手へのダメージも少なくてすみます。
断り方のレパートリーを増やす方法

エッセンシャル思考の生き方は、ノーと言い続ける生活を意味します。
なので、上手な断り方を身につける必要があります。
ここでは6つの断り方を紹介します。
- とりあえず黙る
- 代替案を出す
- 予定を確認して折り返すと伝える
- どの仕事を後回しにするのか聞く
- 肯定を使って断る
- 別の人を紹介する
ー とりあえず黙る ー
気まずい沈黙を怖がらず、沈黙を味方につけます。
誰かに何か頼まれたら、3秒間黙って考えてみて結論を出します。
ー 代替案を出す ー
代替案を出して、相手に歩み寄りながら断ります。
ー 予定を確認して折り返すと伝える ー
いったん時間をおいて考えると、断ることが容易になります。
その場で引き受けて、あとで後悔することがなくなり、自分のペースで作業ができるようになります。
ー どの仕事を後回しにするのか聞く ー
目上の人からの頼みごとって断りづらいですよね。
機嫌を損ねたらどうなるかわかりません。
ですが、手いっぱいな状況で仕事を引き受けても、良い結果など見込めません。
むしろ、もっと悪い方へと事態が進んでしまうこともあると思います。
単にノーと伝えるのが難しいときは、相手にトレードオフを意識してもらうのもひとつの手です。
「今かなりの仕事を抱えているので、これを無理やり差し込むと品質が落ちてしまいます。」
筋の通った意見を提示することが大切だと思います。
ー 肯定を使って否定する ー
喜んで引き受けるふりをして、実は断るという高度なテクニックです。
(例)

今度○○に行きたいんだけどさー

いいね!じゃあ、車貸すから好きに使っていいよ
ー 別の人を紹介する ー
「僕は無理ですが、○○さんなら大丈夫だと思います」と言って他の人に丸投げする方法です。
自分のことを見込んで特別に頼んでもらえたと思いがちですが、実際には誰がやってもいいことがほとんどです。
最初からうまく言えなくても、練習するうちに断り方のレパートリーも増え、そつなく断れるようになるのではないかと思います。
終わりに
最後まで読んでいただき、ありがとうございます。
今回は、書籍「エッセンシャル思考」を紹介させていただきました。
海外のビジネス書は、内容が難しく、読み進めるのにとても苦労するものが多い印象を受けます。
ですが、「エッセンシャル思考」は、1文いちぶんが短く、読書が苦手な方でも手に取りやすい本です。
この記事や、原本「エッセンシャル思考」を読んで、今よりもちょっと豊かに、今この瞬間を生きられる人が増えればいいなと思います。
気になった方は、ぜひ読んでみてください。
マンガ版もあるので、一応リンク用意しておきました。
では。
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